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白濱俊宏氏、AC280BOを語る
国際的ソリストをはじめ、世界の名立たるオーケストラ奏者が愛用する金管楽器の老舗ブランド〈アントワンヌ・クルトワ〉より、ブランドのエッセンスを凝縮したトロンボーンのエントリー・モデル “AC280BO”が誕生しました。“AC280BO”発売にあたり、くらしき作陽大学大学院准教授の白濱俊宏氏に楽器を試奏頂き、感想を伺いました。
職人技術と最新技術のコラボレーションが成しえた現代の最高傑作
〈アントワンヌ・クルトワ〉のトロンボーン“AC280BO”は、イエロー・ブラスのベル、切り替えがスムーズ（B♭/F）なオープン・ラップのF管、ニッケル・シルバー製のスライドを組み合わせた楽器です。実際に設計や仕上げをご覧になって、ご感想はいかがでしょうか。
白濱（敬称略） 〈アントワンヌ・クルトワ〉の上位機種と比較しても遜色ない設計・加工の楽器です。管体の形状も美しく、細部にわたるこだわりの製作技術と妥協を許さない製作者の職人魂を感じさせる新製品です。〈アントワンヌ・クルトワ〉のトロンボーンは80年代、90年代は14ｍｍのボアサイズが主流でしたが、13.89ｍｍの採用にて近年の〈アントワンヌ・クルトワ〉は実に身近なトロンボーンとなりました。音響学上の管体サイズの計算もきちんとされ、まさに200年以上の伝統の職人技術と最新技術・文明のコラボレーションが成しえた現代の最高傑作と言っていいでしょうね！
音色や操作性などについて、試奏のご感想をお聞かせください。
白濱 華やかで様々なニュアンスと色彩豊富な音色を持った楽器です。フランスの伝統である豊かな表現とそれに伴う音色の変化を余すところなく発揮できます。高音から低音まで音の立ち上がり（レスポンス）が良く、しかもピアノでもフォルテでも楽器が奏者の演奏能力をしっかりと受け止めてくれます。大ホールでの音の通り方、聞こえ方も素晴らしくソロ、アンサンブル、吹奏楽、管弦楽等、ジャンルを選ばない表現と操作性を併せ持った楽器です。
操作性については各パーツがしっかりと組み立てられているため、安心して使用することができます。〈アントワンヌ・クルトワ〉の大きな特徴の一つであるロータリーの動きもとてもよく、F管の息の通りもとてもスムーズで自然な音鳴りを感じることができます。ニッケル・シルバー製のスライドの動きは非常にスムーズで、ロータリー同様息の通りがとてもよく、どのような場面においても無理なくムラなく鳴ってくれます。まさに演奏者の意のままに自由自在に操れる楽器です。
他にもお気づきの点がありましたら教えてください。
白濱 「このクオリティでこの価格？」と信じられないコスト・パフォーマンスを誇るこの楽器は、個人で所有するのも良いですし、金額設定も含め学校の備品としても最適です。セットでそろえれば鬼に金棒ですね。
ケースも重要な要素となるのですが、さすがフランスのメーカーだけあって、附属のケースも大変おしゃれで恰好良く丈夫ですし、軽量なのもありがたいですね。電車やバスでの移動にも便利だと思います。
初心者から中・上級者まで対応できる、生涯教育に最適な楽器
白濱 この楽器は〈アントワンヌ・クルトワ〉のエントリー・モデルとして開発されましたので、まさしく始めて間もない方からグレードアップを狙う方には打ってつけの楽器です。しかもある程度吹けるようになっても長いこと使用できるクオリティですので、中級者～上級者にも充分に対応できる楽器です。中・高校生時代にトロンボーンを吹いていて久しぶりに始めたい方や、演奏のブランクがある方にも最適ですし、年齢に併せて体力の低下を感じられ、スケールダウンした楽器を選ばれたい方にもお勧めしたい楽器です。まさに生涯学習に最適な楽器と言えます。
これからトロンボーンを選ぶ初心者の方に、アドバイスはありますか。
白濱 初心者は「誰彼のモデル」を選ぶのではなく、基礎をしっかりと作る段階ですから、その人その人に合った楽器（吹奏感、操作性、音色）を選んでください。吹くのは「誰彼」でなく、あなた自身です。また、初心者の方は無理なく演奏できる楽器を選んでください。しかも本格的なサウンドのする楽器であれば言うことなしですね。この楽器はまさにそんな楽器です。
〈アントワンヌ・クルトワ〉に魅力を感じる初心者の方は、まずこの楽器から始めてください。その後さらに上位機種にあたります420、440シリーズに移行なされば本格的な上級者への道につながっていくと思います。中、高校生時代だけでなく、長い生涯にわたりトロンボーンと音楽を楽しんで下さい。その中でいつまでも〈アントワンヌ・クルトワ〉が傍にある幸せを感じていただけましたら幸いです。
関連ページ
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